過去2年間でオフィスからアパートの変換するコンバージョンが対前年比で 25%伸びている。その数は 全米で 11000 棟に及ぶ。現在修復中の物件は 77000 棟と今後さらにその数が増加する予定である。 変換されたアパート総数は 2020−2021 年の1年間で 28000 棟となっている。
全米におけるコンバージョンアパート数の推移(棟)
(ヤーディマトリックス社レントカフェ分析より)
コンバージョンアパートを新築アパートと比較すると以下のようなグラフになる。
コンバージョンアパートと新築アパート棟数の増減比較推移(対前年比±%にて表示)
(ヤーディマトリックス社レントカフェ分析より)
コンバージョンアパートは 2018-2019 年には 20%以上落ち込んだが、最新データでは 25%のアップとなっている。一方新築アパートは前年比でマイナスに落ち込んではいないが、最新データで 10%と伸びが限られている。コンバージョンの中でもオフィスからアパートへのコンバージョンは 2018-2019 年の 7762 棟から 2020-2021 年には 11090 棟とその間 43%も伸びている。2020-2021 年におけるこの数は過去最高である。
オフィス・アパートコンバージョン数推移(棟)
(ヤーディマトリックス社レントカフェ分析より)
調査を行ったヤーディマトリックス社ビジネスインテリジェンス部長ダグレスラー氏は「大都市において レンタル需要が高く居住物件の密集化が求められている。大都市では大型のオフィス需要が減る一方でア パート需要はこれまでになく増加している。新築アパートを建設するよりコンバージョンが期間、コスト の両面で理にかなっている。」という。
次に都市圏別でコンバージョンアパートの数を見てみよう。
コンバージョンが多い都市圏ベスト 10
(2020-2021 年、棟数、コンバージョン総数におけるシェア)
(ヤーディマトリックス社レントカフェ分析より)
コンバージョンされた古い建物が何かを見てみると以下のようになる。
コンバージョンされた古い建物の種類とそのシェア(%)
(ヤーディマトリックス社レントカフェ分析より)
これを見るとオフィスが全体の 40%を占め最も 多い。やはり自宅勤務・リモートワークにより オフィス需要が大きく減ったことが影響してい る。その次に工場が上がっているが、これは製 造業がますます海外に移転したことによる。シ ェアは低いが今後ホテルもコンバージョンの対 象として増加することが見込まれている。
最後に都市圏別で今後のコンバージョン数を比較すると以下のグラフのようになる。
都市圏別今後のコンバージョンアパート数比較
(グラフ中の園の大きさとカラーで比較)
(ヤーディマトリックス社レントカフェ分析より)
コンバージョン申請中のものを含めてロサンジェルスが 4130 棟と他の都市を圧倒している。これは同地 域におけるレンタル需要の大きさを物語っている。ロサンジェルスやサンフランシスコを例外として全般 的に西部地域でコンバージョン数が少ないのは東部地域に比べて土地がまだ豊富で、許認可も取りやすいため新築アパートを建設するケースが多いためと見られる。