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コロナで変わる住宅市況

IT 系不動産仲介企業レッドフィン社がこのほど同社データの一部を発表した。それによると米国住宅中間価格 は 9 月(9 月 27 日まで)において対前年同時期比で 14%アップして$319,769 となった。これだけの伸び率は 2013 年以来のことである。今年 7 月からの 3 ヶ月間だけで 6.5%アップしている。 以下全米 434 地域で同社が調査した 9 月における住宅販売市況をまとめてみた。
● 売り出し希望価格は対前年同時期比で12.8%アップ。
● 仮契約数は対前年同時期比で30%アップ。
● 新規売り出し件数は対前年同時期比で5%アップ。
● 在庫数は対前年同時期比で28%ダウン。この減少率は過去最高。
● 契約済み物件のうち45.8%は売り出してから2週間以内に仮契約。
● 売却価格vs売り出し希望価格割合は99.4%で過去最高水準。
● レッドフィン社クライアントの物件購入に対する需要はコロナが始まる今年1-2月から34.8%アップ
● 30年固定金利は2.88%
以上のように低金利、巣篭もりによって少ない在庫に対して需要が殺到していることがわかる。当然価格が上が る。ではこの状態がいつまで続くのであろうか。同社チーフエコノミストであるダリルフェアーウェザー氏によ れば「住宅市場はホットな状況が続いているが、価格上昇に関してほぼピークに達している感がある。売り出し 価格も上昇してはいるが鈍化気味である。住宅ローン申請数も少し落ち着いてきた。」と述べている。

在庫不足は多くの売り手が売り出しに躊躇していることに原因がある。1400 人の住宅所有者のうち 20%が今は 売り出すタイミングではないと回答している。また 38%がコロナで健康や安全に対して憂慮している。
今後とも低金利が続く限り、住宅市場は少しずつスローダウンするもののリーマンショックにおけるような大 きな低迷はないとみられる。