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米国で住宅を購入かそれとも借りるか

(マリアンマクファーソン女史による記事を追加編集)

米国住宅物件は昨年第 3 四半期においてようやくアフォーダビリティーインデックス(各地域において中間値 所得者が中間価格の住宅を平均値のローンを利用して購入するのに必要な所得に対する中間所得の割合。高い ほど購入しやすい環境ということになる。この場合全米平均)が改善した。同時期における米国住宅中間価格 は$280,200 と第 2 四半期の$279,500 から微増となった。しかし住宅ローン金利が 4.08%から 3.71%へと下がっ た。さらに年間所得の中間値は$78,572 から$79,215 へと上昇した。一方購入に必要とされる平均年収は前期の $51,744 から$49,584 へと下がった。そのためわずかではあるが購入しやすくなったと言える。

米アトムデータソリューション社の調査によると米国内にあるハウジングデータが入手可能な 855 郡のうち 455 郡(53%)において購入の方が賃貸よりもお得であるという結果が出された。
人口が 100 万人を超える郡の中で購入がお得だと判断されたのはフロリダ州マイアミ・デート郡、フロリダ州 ブロワード郡、ミシガン州ウェイン郡(デトロイト)、フィラデルフィア郡、フロリダ州ヒルズボロー郡(タ ンパ)、オハイオ州カイホガ郡(クリーブランド)、ペンシルバニア州アレゲニー郡(ピッツバーグ)などと なっている。

一方賃貸の方がお得だと判断されたのはロサンジェルス郡、クック郡(シカゴ)、ハリス郡(ヒューストン)、 マリコパ郡(フェニックス)、サンディエゴ郡となっている。

購入の方がお得と出たといっても 53%という僅差であり、多くの人にとって購入という選択肢はハードルが高 い。とは言え米国民の賃貸料が所得に占める割合は平均で 37.6%となっている。一般的に安全と言われる目安 の 30%を超えている。州で言えばカリフォルニア、コロラド、ハワイ各州はレント支払いが困難な地域となっ ている。 カリフォルニア州サンタクルーズ郡ではレントが所得のなんと 82.1%を占めている。ついでカリフォルニア州 マリン郡(75.3%)、パーク郡コロラド州(74.3%)、ホノルル郡(74.2%)、カワイ郡ハワイ州(73.7%) などが最もその割合が高い。

人口が 100 万人以上で所得に対するレント比率が高い地域はキングス郡ニューヨーク州(ブルックリン)が 65.3%でトップ、ついでオレンジ郡カリフォルニア州(64.7%)、サンディエゴ郡(59.6%)、コントラコス タ郡(サンフランシスコ郊外)(58.4%)、クイーンズ郡ニューヨーク州(57.4%)となっている。

レントの割合が低い地域はローン郡テネシー州の 20.1%がトップで、次いでマディソン郡アラバマ州(22.4%)、 グリーン郡オハイオ州(23.0%)、サンガモン郡イリノイ州(23.2%)などが最もレントしやすい環境となっ ている。

人口 100 万人以上で所得に対するレント比率が低い地域はアレゲニー郡ペンシルバニア州の 24.3%がトップで、 次いでクヨホガ郡オハイオ州(25.6%)、フルトン郡ジョージア州(26.2%)、オークランド郡ミシガン州(26.6%)、 ウェイン郡ミシガン州(27.5%)となっている。

トレンドとして対象となった米国内郡のうち 66.3%でレントの上昇率が所得上昇率を上回っている。今後も人 口増などの長期的トレンドを考えると米国におけるレントおよび購入は共に困難になる地域がますます多くな ると予想される。