不動産ニュース

コロナウィルス時代における売り物件の準備

(キャラアミアー氏の記事を要約)

コロナウィルスが収束するのはいつのことかわからないが、ソーシャルディスタンスが続く限り物件の売却は これまでのようにはいかない。売手とそのエージェントはこの環境に適した対応策が求められている。 買手にとって家の情報や状態はバーチュアルで大部分を確認する他ない。売り物件のプレゼンは実際に現地に いるようなフィーリングを持ってもらうことで結果が大きく変わる。以下そのためのテクニックを 8 項目に分 けて紹介する。
1.売手が写真を送る
売手は物件内外の写真やビデオを撮影しエージェントに送る。受け取った写真・ビデオからエージェント は部屋の整理整頓、汚れ、ペンキ、修理箇所など気づいたところをリストアップする。例えば天井のシミ、 ペンキの剥がれ、窓の汚れ、割れたタイル、カーペットの汚れ、床の傷など細かく確認しておく。
2. 売手とエージェントがビデオで家を確認
エージェントは売手にライブビデオで物件の案内をしてもらう。写真で確認した箇所やその他気づいた部 分をもう一度売手と確認する。間取り図が入手できればさらに確認しやすい。
3. アクションプラン設定
物件を売り出す際の準備は通常の場合でも難しいが、実際に売手と何回も会うことが困難なこの時期にお いてはなおさらである。バーチュアルでこの作業をすることは最初から難しいと覚悟すべきである。 これまで行った確認事項をリストアップして売り出し前にやるべきことをアクションプランとして作成し 売手と協議する。

エージェントはそれに必要な業者(庭師、ステージングスペシャリスト、掃除業者)を紹介する。
4. ビジュアルが全て
物件の販売は長々とした文章による説明ではなくビジュアルで決まる。売手にアクションプランの内容を 理解してもらうためにもエージェントは周辺事例の内容を数値や文章だけでなくビジュアル(キッチンの 露モデル、ステージングなど)でも紹介して、当該物件と比較する。

他の物件と当該物件を比較して当該物件が優れている部分とそうでない部分を詳しく売手に説明する。
これによって売手はアクションプランに関わる費用対効果のシミュレーションを理解し現実的な期待と現実 のギャップをかなり埋めることができる。
5. 出来上がった写真を校正
アクションプランに応じた準備や工事が完成したら、完成後の写真やビデオを売手が撮影してこれをもと に売手とエージェントがさらに協議する。
6. エージェントが現地視察
エージェントが現地に赴き売り出しの方法(特に内覧のやり方)を売手と協議する。売手が在宅の場合、 どのようにソーシャルディスタンスを確保するか、室内の換気、マスク着用や消毒をどのようにするかな ど感染防止策を徹底する。買手とそのエージェントができるだけ物件を触らずに済むような対策(内部ド アを開けたままにする、電気のスイッチはオンにしておくなど)も必要である。
7. 撮影
エージェントが現地で写真やビデオを撮影するとともに、プロを雇って撮影するメリットについても売手 と協議する。エージェントは撮影したコンテンツをできる限り幅広く多くの潜在顧客に見てもらえるよう なマーケティングプランを実施する
8. ビデオ、空中イメージ、3D を追加
バーチュアルショーイングのコンテンツが充実しているほど、売却期間短縮とトップダラー(高値売却) につながる。売手とエージェントのコラボによる売却準備はこれまで以上に重要な要素となっている。

エージェントはもはや単なる仲介者ではない。売手にとって信頼できるコーチでありアドバイザーでなけ ればならない。売り出し前から売却完了まで一貫したゲームプランが必要である。 コロナウィルスは不動産の売却にも大きな変革をもたらすことになりそうだ。