2026 カリフォルニア州住宅市場予測 (2)

(カリフォルニア不動産協会レポートを要約)

カリフォルニア州住宅市場を語るときに住宅供給量は常に大きな要因となっている。同州は土地の大きな州であるが、都市部に開発用地が数多くあるかというとむしろ不足している。

カリフォルニア州住宅建築許可発行数の推移

(件数、1970年代から 2020年代まで、2020年代は予想)

10州における住宅建築許可発行数、人口、住宅中間価格の比較

(左から州、住宅建築許可発行数、人口、住宅中間価格)

上図を見ると同州は人口に対する住宅建築許可数が極めて少ないことがわかる。これには開発地が少ない、建築許可に関する規制が多く存在する、開発ビジネスの費用対効果が見込めないなど多くの理由が考えられる。またこの50年で許可発行数は毎年減少している。こういった背景は同州における住宅供給の ボトルネックとなっており、一時的な景気や住宅金利水準といった要因とは異なり恒常的な供給不足を生み出している。

カリフォルニア州住宅アフォーダビリティー推移

(2006年から 2025年まで、%、中間所得に当たる世帯が中間価格の住宅を 20%の頭金で残金をその時点 で平均的な住宅金利支払いで購入できる割合、ピンクの線は初回購入者、ブルーは全体)

上図のように購入できる人の割合は年々減少傾向にある。歴史的にも 15%というアフォーダビリティーは極端に低くこの状況が続けば住宅不動産ビジネスはほぼ休止してしまうと言っても過言ではない。住宅 価格の高騰、住宅金利の高止まり、中間所得の伸び悩み、インフレによる貯蓄減少や可処分所得の減少など住宅購入者にとって度重なる受難が続いている。また今後もその傾向が急激に改善されるとは見込めな い。 そのため近年米国の大都市ではマイホームを諦め賃貸する人が増加している。ロサンジェルス、ニューヨ ーク、サンフランシスコはその代表例である。若い20−30歳代世代ではその傾向が顕著である。

しかしマイホームを購入したいという希望は強くいずれかは購入したいと答えている世帯を含めると購入 希望者は全体の78%と極めて高いことがわかる。マイホームは決してあきらめてはいないが、現状ではとても購入できないというのが多くの人々の思いである。購入者(特に初回購入者)にとってさまざまな 補助プログラムがあると言われているが、カリフォルニア州、特にその大都市部ではプログラムは限定的 で申請者数のほんの一部しか利用できないためほぼないに等しい。

マイホームの重要性について

(%、左から全く重要ではない、少し重要、重要、とても重要、非常に重要)

ではマイホーム vs 賃貸ではどちらが有利であろうか。

世帯あたりの純資産の推移比較:マイホーム vs 賃貸

(X1000 ドル、1989年から2022年まで、ブルー:マイホーム世帯、オレンジ:賃貸世帯)

上図のようにその差はあまりに歴然としている。2008−2010 年におけるリーマンのような不況(特に不動 産不況)で少し資産が減った時期が見られるものの、マイホーム世帯では長期にわたって着実に純資産を 増やしている。一方賃貸世帯では所得が上昇してもレントやその他の生活費も上昇するため結局可処分所 得が伸びていないだけでなく貯蓄がほとんどできていない。Rent Poorと呼ばれる所以である。日本と異なり米国世帯の資産の多くはマイホームの値上がりによるものであることがこのグラフから読み取れる。