2026 カリフォルニア州住宅市場予測(1)

(カリフォルニア不動産協会レポートを要約)

カリフォルニア住宅市場を分析するときに重要なのは経済指標と合わせて見ることである。まず米国経済の基本的な指標の推移を見てみよう。

米国経済指標推移

(%、2016年から 2025年まで、2025年は予測、上から GDP の伸び、雇用の伸び、失業率、CPI[物価指 数]、可処分所得の伸び)

GDP をはじめ全体的に経済は緩やかではあるが伸びの基調となっており、今年も同様の動きが予想される。物価高も少し収束するようになってきた。ただ2025年の集計統計値を見ると上から 1.3%、0.9%、 4.3%、2.8%、1.6%といずれの数値も景気が予想よりもさらに減速化していることがわかる。

カリフォルニア州戸建販売件数の推移

カリフォルニア州内の戸建販売物件数では 2023年、2024年、2025年(予測)ともに約27万戸と 2010年以来最低値となっている。つまり景気はまずまず順調であるが住宅市場はかなりの低レベルが続いているとみて良い。
その要因を見ると以下のようなものがあげられる。

• ロサンジェルス山火事
• トランプ政権
• 関税ショック
• 株式市場
• GDP の低い伸び率
• 公定歩合
• インフレ
• AI
• 法規制
• 家屋保険
• 管理組合

以上のようにさまざまな要因が住宅市場に影響を与えている。

直近の米国雇用市場を見ると新規雇用者数、失業者数ともに悪化していることがわかる。特にカリフォル ニア州では大手IT企業がAIシフトなどで大量の解雇を断行したこともあって雇用状況は全米よりもさらにネガティブだといって良い。

次に所得と賃金の伸びを見てみよう。

インフレ率調整済み米国個人所得と賃金の推移

(1980年1月を 100 とみなす、ブルー:個人所得総額、ピンク:賃金)

インフレ調整後の賃金は45年間でわずか 17%の上昇にとどまっている。一方個人所得総額は3.4倍に増加している。すなわち賃金以外で得た所得の伸びが大きくこれが世帯間で所得格差を大きくする最大要因となっている。

消費者の景気に対する先行感の推移(0 から 100、1978年から 2024年まで)

消費者の景気に対する先行感を見るとこれまで50−60の低い数値の時期はリーマン、コロナなどの時期と 合致している。現在の先行感はこれらと同様に低い水準であり、前述の要因が寄与していると言える。

ここまでの統計を見る限り景気の不透明感が強く、住宅市場にネガティブな影響を与えているということが伺える。先が見えない、毎日の生活で精一杯ということから多くの人々は住宅購入・売却という大きな意思決定を避ける傾向にある。