(レッドフィン社レポートを要約)
不動産大手のレッドフィン社がこのほど子供連れ世帯の住宅事情について調査を行った。その結果によると子供連れ世帯では子供がいない世帯に比べて家の頭金や毎月のローン支払いで家族からの援助をもらっ ている比率が高いという。理由の一つは子供連れ世帯の方がより大きく高価格の物件が必要となるからだ。住宅購入時に頭金を援助してもらった人の比率は子供連れ世帯では24%、そうでない世帯では12%と倍になっている。 3世代同居の場合でも同様の傾向が見られる。同じ屋根に3世代が住む場合ローン支払いで援助を受けている割合が 17%であるのに対してそうでない世帯の場合 8%とこれも倍以上の割合となっている。また子供がいる世帯では親からの相続資産からローン支払いをする割合が11%に対してそうでない場合は7%のとどまっている。
家族からのサポートを受けるのはローン支払いを楽にするための一つの方法である。その他にも副業(子供連れ世帯 23% vs 子供なし世帯 12%)、退職用資金の前借り(子供連れ世帯 14% vs 子供なし世帯 9%)とあらゆる方法を使ってマイホームの支払に充てようとしている。 米国住宅価格はコロナ前と比較して40%も値上がりしており、それに加えてローン金利が急騰したため住宅所有者にとってダブルパンチとなっている。
子供連れ世帯がそうでない世帯より家族からの援助を受ける確率が高い理由は以下のようなことが考えられる。
・子供がいる世帯ではより大きくてアメニティーが充実した家を好む傾向があり、当然価格も高くなる。回答者中68%が広い居住スペースを求めている。良い学校に近い、公園がある、ショッピングが便利といったアメニティーに対する要求は子供連れ世帯の方がより強いと言える。対する子供がいない世帯では60%となっている。
・子供連れ世帯の方が所得が高い。年間所得が5万ドルを超えるのは子供連れ世帯の世帯では 65%に対してそうでない場合は42%となっている。
・親は子供と孫の両方に対して財政援助したがっている。
・子供連れ世帯の平均年齢が低い。子供連れ世帯の約 67%がZ世代あるいはミレニアル世代であるが、子供がいない世帯では25%である。若い分だけ親からの財政援助をより必要としている。同じ敷地内で ADU(敷地内に賃貸物件が建設できる場合)やデュープレックスといったユニットに親が住むケースも増加している。子供がいる世帯では核家族から3世代同居住宅へのシフトが進んでいる。
子供連れ世帯がローン支払いのためにしていること
(上から不必要経費の削除、副業、家族からの援助、株式の売却、退職資金積み立ての減額、仮想通貨投資の売却、退職資金積立金の前倒し、セカンドホームや賃貸物件の売却、遺産相続、他の所有物件の純資産流用。左:子供連れ世帯、右:子供がいない世帯)