(カリフォルニア州不動産協会レポート及びレッドフィン社レポートを要約)
CAR(カリフォルニア州不動産協会)よりこのほど 2025年カリフォルニア州住宅市場の予測が発表され た。連邦政府が政策金利を下げたため、住宅金利も下がり売り手と買い手の両方が売買から遠ざかるいわゆるLock-in効果が少し緩和された。2025年はさらに金利が下がることが予想され、住宅市場にとって追い風となる。
州内における戸建物件の販売数は2024年の 275,400(予測)から 304,400(予測)に増加する。2023年の実績は257,900だったので 2024年は対前年比で6.8%伸びたことになる。
中間価格は 2023 年の実績である$814,000 から 6.8%上昇して 2024 年は$869,500、さらに 2025 年には 4.6%上昇して$909,400 に達するとみられている。少ない在庫と供給を上回る需要により値上がりは来年 も続く。
CAR 会長メラニーベーカー氏は「売り物件の増加と住宅金利の低減により来年は売り手・買い手共に活動が活発になるだろう。過去2年間で初めて住宅金利が下がったことは初回購入者にとってグッドニュースである。売却を控えていた潜在的売り手にとっても金利が下がったことによりより積極的に売却を検討で きるようになった。」と述べている。
インフレ率は2024年で2.9%(予測)が2025年には2.0%(予測)にまで落ち着く見込みである。一方30年固定型住宅金利の動きは 2024年の6.6%から来年は5.9%に下がる見通しである。コロナ以前の金利には及ばないものの、過去50年間における平均値である8.0%と比較すると十分低い水準だといえる。
売り出し物件数は今後も順調に伸びていくが、その伸びは緩やかで急に在庫が増加するということにはならないだろう。10%前後の伸びが予測される。
CAR 副会長ジョーダンレビン氏は「住宅金利が下がり、在庫が増加する一方で買い手の競争も激しくなるため、2025年は価格が上昇する。2024年より市場は活発になる。」と説明している。
また大手仲介企業である REDFIN 社の米国住宅売買件数(TURN OVER)に関する調査によると、2024 年の TURN OVER 率は過去30年で最低レベルであったという。住宅1000件のうち年間で何件売買されたかという指数がTURN OVER RATEであるが、2024 年の 8 月までの実績から2024 年通年では 25/1000(2.5%)という数値が出ている。この数値はコロナの最中で住宅売買がホットだった時期である2021年の40/1000より37.5%減、住宅金利が低かった2019年の36/1000と比較しても31.0%減となっている。 売り出し物件数も同様に低いレベルで31/1000 となっている。
州別に見るとカリフォルニア州が最低値を記録した。ロサンジェルス地域は同州の中でも最低の15.2/1000 であった。ついでボストン、サンフランシスコ、オークランド(カリフォルニア州)、アナハイム(カリフォルニア州)、サンノゼ(カリフォルニア州)となっている。
逆にTURN OVER RATEが高かったのはアリゾナ州フェニックスの37.7/1000をトップに、ニュージャージ ー州ニュウォーク、テネシー州ナッシュビル、フロリダ州タンパ、ニューヨーク州ナソー、セントルイスとなっている。
住宅販売数は今後上昇傾向にあるが、その動きはあくまでゆっくりで、すぐにコロナ以前のノーマルなレベルに追いつくというものではない。同時に住宅金利が下がるトレンドを考慮すると、景気の良し悪しに関わらず少ない売り出し物件にこれまでよりも多くの買い手が購入を希望するため売買価格が上昇することがごく自然に予測できる。