(ジムダーリンプル氏記事を要約)
不動産業界に AI がやってくる。好き嫌いに関わらず、変化する環境には対応していくしかない。チャッ ト GPT を代表とする AI が不動産ビジネスにおいても人間に代わって機能することがエージェント、そして消費者の間で取り沙汰されている。この大きな流れは次の4つの分野に分けられる。
1. チャットボット
チャットボットは以前より存在していたが、最近の技術進歩によって新たな動きが出ている。エージェントは物件の内容説明や広告内容、ブランディング用キャッチフレーズなどに利用している。
• チャット GPT
オープン AI 社が開発した AI で同社は昨年株式公開をしている。質問に答えてくれる、文 章、物件情報の説明文、マーケティング戦略、コンピューターコードなどの作成が可能で ある。
• グーグルバード
チャット GPT に対するグーグル社の対抗版。バードはユーザーの問い合わせに対してテキ ストで回答。評判は今ひとつであるが、まだ進化・改良の途中である。
• マイクロソフトビング 元はサーチエンジンであったが、それにチャットボット機能が加わる。ライバルに比べて 回答がありきたりでなくクリエイティブである。その分事実でないエラーもあり得る。
• その他のチャットボット
そのほかにも KUKI、REPLIKA、CLEVERBOT などがある。上記の大手3社には及ばない。
2. イメージジェネレーター
このツールを利用すると画像をリアルな写真に再生する、イラスト風にする、コミックブック風にする、バロック時代の絵画風にするといった違ったモードに変換できる。エージェントはこれを使って物件をよりリアルに、見栄えをよくし、好きなイメージでプレゼンができる。
• DALL-E2 イメージジェネレーターの草分け的存在。機能もトップクラス。
• MIDJOURNEY 広く使われているイメージジェネレーターの中ではベスト。リアルさが売り物で、偽物と 本物を見間違えるケースがある。
• STABLE DIFFUSION 画質は今ひとつであるが、無料であるメリットが大きい。初心者向き。
• DREAM STUDIO
あまり知られていないが、機能は充実している。STABLE DIFFUSION の AI を利用している が、画質はさらに良い。
• FUSION BRAIN パワフルで画質も良いが、ロシア製でセキュリティーリスクあり。
• TRY IT ON
顔写真専門。少額の料金がかかる。エージェント SNS で活躍している。
• STUDIO SHOT 顔写真専門。画質は良好。
3. AI ベース不動産プラットフォーム
大手を中心に不動産企業の多くが現在 AI を使ったビジネス管理に取り組んでいる。今後時間と共 にエージェントと企業にとって最も有効なツールになっていくことは間違いない。チャット GPT が文章を作成するというと点では大きくリードしているが、最終的には契約書、エスクローなどより多くのツールと複合していくことになる。以下その代表的なものを見てみよう。
• OJO チャットボットで以前よりサービス提供していたが、最近その機能を拡大している。ユー ザーが検索した物件を整理する、エージェントがそれを見てユーザーはどういった物件が 好みか、好きな物件の順位などを確認できる。
• BHR
B to B のデータを扱う。オープン AI とチャット GPT を使ってエージェントがデータを整 理・利用することをサポートしている。
• RESTB.AI
画像のスキャンと分析を得意としている。物件情報の記述に関する AI を最近リリースし たばかりである。またブラックナイト社と組んで AI オートメーションを発表している。
• SCOUT マーケティングプラットフォームで、エージェントがメールキャンペーンを行うサポート を得意とする。オープン AI の技術を組み込んでいる。
• REZURA
E メールマーケティングで有名。オープン AI とパートナーシップを組んでエージェントが Eメールマーケティングをさらに改善できるようになった。
• RESAAS
チャット GPT を使って物件情報の記述をサポートする。
• NILA JUNE
「Instant Property Description」の名称の通り、物件情報の記述が即座にできる。
• LIST ASSIST
マーケティングのオートメーションを目指している。
• LOCALIZE
ユーザーが物件検索をするサポート機能を持つ。エージェントに顧客リード情報を提供している。
• REIMAGINE
デジタルイメージが専門。物件の画像処理によって庭や家具などのイメージを追加できる。
• REAL ESTATE WEBSTERS
エージェントホームページ作成、CRM(顧客管理)をサポート。チャット GPT とオープン AI の技術を利用している。
4. 他の AI ツール
上記にあげたチャットボット、イメージジェネレーター、不動産プラットフォーム以外にも以下 のような AI の利用法がある。
• アドビポッドキャスティング
▪ Enhanced Speech
録音されたコンテンツの音質を上げるツール。ポッドキャスト作成においてかなりの時間と労力の節約につながる。
▪ Mic Check
マイクの音質を良くしてくれる。
▪ Adobe Podcast
総合的なツール。ポッドキャストの音声編集、音声ファイルからテキストへの変換などを得意とする。
• ELEVEN LAB
テキストからスピーチへの変換ツール。テキストをリアルな音声で聴くことができる。人の音声を録音して違う人の音声に変換することもできる。セレブ、政治家、有名人の音声に変換して聞かせることができる。
• DI-D
会話系 AI にビジュアルイメージを加えることができる。実在の人物、または仮想人物の イメージを作成して音声に合わせられる。TikTok で広く使用されている。ビジュアルイ メージをアニメ化することもできる。
• RUNWAY
イメージジェネレーターであるが、特徴としてテキストに合わせてビデオを作成できる。 ビデオ・イメージ編集に関する AI 製品各種を提供。